校長メッセージ

教育・研修内容の充実した、さらに魅力ある農林大学校へ

本校は、本県農林業の担い手の育成拠点です。

高校の新卒者等を対象とする「養成部」と新規就農希望者及び就農者等を対象とする「研修部」の2部制となっており、それぞれ、以下のような取組みを行っています。

【養成部】

平成28年度に、やまがた森林(モリ)ノミクスを支える林業の次世代のリーダーを育成するため、新たに林業経営学科を設置し、従来の稲作経営学科、果樹経営学科、野菜経営学科、花き経営学科、畜産経営学科、農産加工経営学科と合わせて7学科体制としました。全国42道府県に設置されている農業大学校の中で、農業と農産加工と林業を学ぶことができるのは、本校しかありません。このように充実した学科構成により、学生が将来の進路に応じて選択できることが特徴となっています。

また、実践的な学習を重視しており、時代の変化等を踏まえたカリキュラムの見直しを常に行っています。近年では、農業における食品安全、環境保全等の持続可能性を確保するための農業生産工程管理であるGAPや畜産の農場HACCPの認証、ドローンとリモートセンシング技術の体験学習、乳製品加工施設の設置とその本格的な稼働などを行ってきました。令和3年度からは、特別講義の単位数を倍増し、また農業簿記など基礎基本の徹底を図るための授業改善、経営力の強化や農業経営の意識向上等を一層図れるようにしたところです。

さらに、進路指導については、就農コース、就職コース及び進学コースに分けて、担任と各コース担当職員等によるきめ細かい支援体制を整 備しており、平成30年度からは、雇用就農(農業法人等へ就職する形での就農)を希望する学生や今後増加が予想される農業法人の担い手育成を図るため、新たに雇用就農コースを設置し進路指導を強化しているところです。その結果、学生の進路決定率は、毎年、ほぼ100%となっています。

【研修部】

Uターン等の新規就農者を対象にした研修や就農後の発展段階に応じて支援する多様な研修機会の提供を行っています。また、養成部を卒業した就農者及び雇用就農者の就農後の農業経営力アップを支援する経営定着・発展支援研修や乳製品加工・販売を支援する農業ビジネス支援研 修、女性農業者を対象とした「アグリウーマン塾」やスーパートップランナー(生産力の高い企業的な農業経営体)の育成を図るため、より高度な経営学を学ぶための「やまがた農業経営実践塾」を行い、養成部と研修部が連携しながら就農準備段階から就農後の経営発展段階に応じた農業経営のレベルアップを体系的に支援しています。

今後も、常に教育・研修内容の充実・深化を図りながら、本県農林業をしっかり支えていく人材の育成に取り組んでまいります。

山形県立農林大学校長 菊地 繁美